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初代Masteries

きっとモヒカンにもなれないお前たちに告げる!!!

RitsでMatzさんの話を聞いてきた

Ritsこと立命館大学のびわこ草津キャンパスで, Matzことまつもとゆきひろさんの講演会があったので, 参加してきました. 以下メモ*1.

togetterのまとめも参考になります.
「これはこういう事が言いたかったのでは?」, 「この話が抜けてるよ!」等々ありましたら, 修正させて頂きますのでご連絡頂ければ幸いです.


お題「世界で通用する技術者になるためには」

  • 自己紹介
    • ありふれた名前なので平仮名. 英語圏ではMatz
    • 「覚えられるか」はとても重要.
    • プログラマ, OSSエバンジェリスト, Ruby言語創始者
    • 15年, Rubyコミュニティを主導
      • 世界で一番有名な日本人プログラマ
      • ネットの支配者の100人のうちの1人!
    • 松江市名誉市民, IT総合戦略本部委員...
  • 世界で通用する技術者になるためには?
    • 世界に通用する技術者の定義
    • 定義をないがしろにしてはならない
      • 優秀? 海外出張する? 著名? 成功? ...
      • Matzの定義
        • 閉じ込められていない
        • センターになる技術者
  • センターになる技術者
    • 寓話で例える. ゆでガエル, ストーン・スープ
  • ゆでガエル
    • 熱湯にカエルを入れると, 飛び出す
    • 水に入れてから加熱すると, 飛び出すタイミングを逃して茹で上がる...
    • 生物はゆっくりした変化に弱い
      • 少しの変化が取り返しのつかない事態を呼び起す
      • 例: 地球温暖化
    • 若干な変化に気が付かないのが致命的になる場合がある
      • ゆっくりした変化なので, 大したことがないと思ってしまう
        • カエルも, 津波も
  • 縮小するマージン
    • 高度成長期
      • 割と何もしなくても余裕がある
    • 景気停滞期(今)
      • ちょっとの失敗が致命的に
      • 環境変化: 終身雇用, 年功序列...
  • 思い込みの打破
    • 今も大丈夫だし, これからも大丈夫だろう... という思い込み
    • 老人は思い込んだまま死ぬ/引退できる
    • 若い人は, 思い込みと現実のギャップに苦しむ
    • 早いうちに「思い込み」を発見して, 逃げ出そう
  • 思い込み
    • 学歴が重要
      • 凄い人がみんな学歴がいい訳ではない
    • ITはプロの仕事
      • ITは業務判断, 経営判断の本質. 丸投げはマズい.
      • 「こういう技術を使って, こういう変化によって, こう良くなる」を丸投げしてはいけない
    • コンピュータとはPCである
      • コンピュータの出荷台数はタブレット, スマホの方が多い
  • それは本当に真実か?
    • いちいち考えなくてはならない
    • 誰も信じるな
      • 社会の変革の中で苦しい時期がある
      • 新しい社会の脳内イメージを作れないと, 茹で上がる
    • 日本語, 日本国, 企業に閉じ込められない...
  • 「思い込み」
    • 私は何をするべきか?
      • さあ?
      • 自分の人生なんだからMatzは答えられない
        • 他人は無責任
      • するべきことはない!
        • 人生の正解を期待しない
        • 私はこういう評価軸で, こういう人生を歩まなければならない...
          • そういう思い込みはいけない
          • 「これをやるんだ!」はOK
          • 親が言うから... 社会がそう言うから... はNG
  • ストーン・スープ
    • 「達人プログラマ」に載っている
      • 旅人が歩いていると, 閉鎖的な村に着く. 村の家を訪れるが誰も泊めてくれない
      • 広場で焚き火を炊いて野宿を始める. 鍋に水を汲み, 落ちている石を煮る
      • 一番好奇心のある人が話しかける「石を煮て何を作っているんですか」
      • 旅人「ストーンスープを作っています. ただ, 玉ねぎがあればもっとおいしくなるのですが...」
      • 村人, 玉ねぎを持ってくる
      • 興味を持った次の村人が来る
      • 旅人「にんじんがあればもっとおいしくなるのですが...」
      • 興味を持った次の村人が来る
      • 旅人「鶏肉があれば...」
      • 最終的に村人全員が集まる
      • 最後は鍋から石を捨てて, スープを飲む
    • 旅人は鍋しか持っていない
      • コラボレーションのパワー
        • コラボによって新しい価値が生まれ, 楽しいことができる
    • 何故コラボが生まれたか?
      • 「スープ作るんで材料くれ」では, 誰もくれない
      • ストーンスープを可能にしたのは, 石
        • 「なんでこんなことするんだろう?」 注目を集める
        • ムーブメントを起こす
        • コラボが起こり, 成果物ができる
    • 社会運動の起こし方(TED)
      • 1人が踊っている. 2人目が踊りだす
      • 1人だと馬鹿っぽいが, 2人来ると「面白そうだなあ」になる
        • 最後にはたくさん集まる.
          • フォロワが増えるとムーブメントが!
          • 人々を惹きつける能力があっても, ムーブメントがなければ無理
  • 1人でなんでもできる人はいない
    • 既にあるものは利用する
      • 既にあるものを利用してムーブメントを
  • ピギーバック
    • 巨人の肩に乗る
    • それに付け加えることでムーブメントを起こす
  • 協力を募る
    • 甘えている? -> 1人でなんでもできる人はいない
    • 協力を募ることで, 自分のPJから自分たちのPJに変化
      • 世界で協力するPJにおいて, 良いポジションを得る技術者が世界に通用する技術者
  • 得意は伸ばし,苦手な点は他人に任せる
    • スコアに上限があるゲームにおいて(例えばテスト), 95点を100点にするより, 60点を80点にするほうが楽
      • 戦略的にも良い
    • 但し, ゲームが変わればその戦略は変わる
      • 特典に天井がないゲームをするときは, 得意分野を伸ばす方が良い
    • 得意に集中, 苦手は他人に任せる
  • 人の好意は素直に受ける
    • 頼られると嬉しい
    • 好意を素直に受けることでハッピーになれる
  • 人の成果は正当に評価する
  • 公正である
  • リーダーになる
  • センターになる = コラボレーションのリーダー
    • 成果としての注目度はセンターに集まる
    • 成功を横取りするのではなく, 成功において「中心だよ!」となれればよい
  • ITの発展
    • テクノロジーの変化
      • 社会にどれだけ普及しているか? それが現実社会に与える影響は?
        • 初期のWWWは現実社会への影響力は少なかった
        • 現在, WWWで買い物, 情報収集, 論文閲覧, 予約など, ありとあらゆることができる
  • ムーアの法則
    • 半導体集積度が指数関数的に増加
    • 半導体以外ではそういう事は起き得ない
      • 車のエンジンの燃費とか...
  • ムーアの法則が生んだもの
    • PCが低価格に, 大容量, 超高性能コンピュータ, 超低価格コンピュータ, 超大量コンピュータ
      • 30年前のスパコンが, 今のスマホの性能になっている.
      • そういうのが何億万台も流通している
  • PCの予測は大抵外れる
    • 例: コンピュータは世界で5台しか売れない
    • 超高速ネットワーク
    • クラウド
  • 現在までのベクトルの先
    • エクストリーム未来予測
    • 過去から今まで伸びてきた方向を極端に伸ばせば?
      • スパコン ... 誰でも自由に使えたら?
        • 今よりも高速なPC
        • 今よりも大量なPC
        • 今よりも大容量なPC
        • 今よりも高速なネット
    • そういうので想像しても, 未来は大抵先に行く
  • 社会の変化 = 新しいルール
    • ゆでガエルになりやすい
    • テクノロジー社会
      • テクノロジードリブン
      • テクノロジーへの関心, 活用
        • 日本では逆行. 利用者が増えているが, 一般人の興味は下がっている.
          • 憂慮するべき.
  • 技術がパワーになる社会
    • ギーク国家アメリカ
      • エンジニアのポジションが高い
    • 日本で, プログラマが大成功して, 金持ちになって, 後進を育てようとしている人はいない...
    • ギークドリブン
      • 日本では? 10年ちょっとじゃ無理...?
        • そんなの関係ねえ!
        • 今動く!
      • ギークな国家があるのならば利用すればいい
      • 他国との繋がりを利用 ... 日本じゃなくてもいい
  • オープンソース
    • 一発逆転の秘密兵器
    • コラボのパワーを体現
      • 組織から個人へ
        • 昔は組織(企業, 大学)で開発, 今は個人がスタートして開発
      • 企業からコラボへ
        • インターネットと自由
        • それぞれがメディアになる
    • 1人の影響力が社会を変えることができる
      • 失敗して炎上する人もいるが...
    • 組織による庇護から, 組織と対等な関係へ
  • OSSを通じた自己主張
    • 20年, 30年前にOSSで生きていくにはとてつもない運が必要だった
    • 今は過去の遺産によって楽になった
      • OSSを作って, OSSによって人を動かし, コラボして, 自分のポジション, 価値を高める
      • OSSによって, 人類全体の貢献へ
    • 昔は100人やって1人成功するかレベルだが, 今は100人やれば60人くらいは成功できるのでは?
      • matzが成功したのは運が良かったのもある
  • OSSを理解する
    • 定義: ライセンスが本質
      • コラボしやすい.
      • コントリビューション
      • アイデアを持ち寄る
        • 交流によって, OSSがより良くなる
        • 例: 初期のRubyは, SJISとEUCしか対応していなかった
          • 「こうすればunicodeが使えるよ」と連絡が来て, Rubyに取り込まれる
          • その結果, 現在, 97のエンコーディングに対応
        • コントリビューションがコントリビューションを呼ぶ
  • OSSを通した自己主張
    • ブートストラップ
    • 既存のPJを踏み台に
      • Rubyを踏み台に. 「この人は, こうやってこういうXXXXを成し遂げたのか...」が, 名刺代わりに.
      • 自分を認知する人が増え, コラボレーションが生まれる.
    • 実践で能力を伸ばす
      • 名前を売る
      • 差別化は, とても重要
    • 他人にコントロール, 依存しないラベルを付ける
      • 組織, 年齢は関係ない
      • 本業か, 副業かは関係ない.
    • コミュニティにおける「存在感」, 「知名度」
      • 継続する
  • バタフライ効果
    • MD5/SHA1
      • 1bitが変われば, 大きく変わる
      • 未来予知は不可
    • 未来は結果
      • 予測は困難, 常に困難な掛けになる
        • リスクを下げる
          • 小さく賭ける, 度々賭ける, 撤退は素早く
  • 過程を楽しむ
    • 心動くテーマで, 衝動に従う, エンジョイしながら
      • 鶏口牛後
      • 突出した分野を持つ
      • ネットワークの力
      • 信頼される存在へ
  • 世界を変える鍵
    • テクノロジー
    • コラボレーション
      • OSS
  • テクノロジー
    • 社会を変え, 困難を解決する
    • 良いことばかりではない
      • 仕事が減る... リストラ...
    • 前に進むしか無い!
      • テクノロジーとどう関わるか? テクノロジーの変化を自分にプラスに変えるにはどうする?
        • 自分で決めれ
        • 自由にやろう.
          • ただ, 自由には責任が伴う, 痛みを伴う
  • リスクを下げる
    • 失敗にならないように...
    • ダメージを減らす.
  • 過程を楽しむ
    • 鶏口牛後
    • 社会が変化する時代に大企業はアテにならない
      • 大企業 = 幸せは10年前に終わってる
  • テクノロジーで, ハッピーになろう!
    • その過程で, 未来を作ろう
  • [余談?] 姿勢と脳
    • エイミー・カディ 「ボディランゲージが人を作る」
      • 小さい姿勢になるとアイデアが出ない
      • 大きい姿勢になるとアイデアが出る
        • 伸びをしよう


感想

4月から5月にかけて, 今後の人生的な所でいろいろ悩んでいて, 最近ようやく自分なりの答えが出てきたのですが, 今回のまつもとさんの講演会は, その答えを後押ししてくれるような内容でした.
やはりまつもとさんは「15年間, 実際にRubyコミュニティを主導してきた」という実績があるので, 今現在「Perl入学式というコミュニティ」を主導する立場にある自分としても, いろいろ刺激を受けましたし, 参考になる話が多かったです.

素晴らしい講演, ありがとうございました!

*1:誤った解釈による記述が含まれている場合があります. ご注意下さい.